東京写心 vol.10
こんな風にいつか色褪せていく世界で、今日も昨日と変わらない人生を生きる
少年は大人になり、もう二度とは戻れない
あんなに好きだった東京タワーの色すら、いつか忘れてしまうだろう
色を忘れたかつての少年は、もう一度艶やかな色に染まる夢を見る
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東京写心 vol.9
断捨離。
ずっと大事にしていたものも、そうでないものも、捨てすぎると何が大切なのか分からなくなる。
そもそも大切にしていたものなんて、本当に存在していたのだろうか。
今生きていくために必要なものしかないこの部屋を眺めると、すべて夢だったかのようにすら思える。
東京写心 vol.7
名前を呼ばれた気がして辺りを見回す。
気がつけば春は終わり、梅雨を迎える。
「そうか、もう君はいないのか。」
昔読んだエッセイのワンシーンを思い出す美しい昼下がりだった。
東京写心 vol.6
私がかけた魔法も例外なく、十二時にはとけてしまう。
十二時までは、あの日見た鮮やかな夢を。
多くの人はシンデレラには、王子様にはなれない。
夢の続きを見ることはない。
